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青森・小牧野遺跡「遮光器土偶ニット帽」に新色 今年も抽選販売

後藤副館長(左)と竹中館長(右)

後藤副館長(左)と竹中館長(右)

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 青森市小牧野遺跡保護センター「縄文の学び舎・小牧野(こまきの)館」(青森市野沢)が12月1日、「遮光器土偶(しゃこうきどぐう)ニット帽」の抽選販売を始めた。

今年の新色

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 遮光器土偶ニット帽は縄文時代晩期に出土した遺物「遮光器土偶」をイメージし、特殊な編み方で頭部の「結髪(けっぱつ)」を表現した同館のオリジナル商品。2020年1月に販売を始めて以来、毎年冬に販売。今年は新色の「パープル」「グリーン」「チェリーピンク」を加えた11種類、合わせて65点を用意する。

 小牧野遺跡を多くの人に知ってもらおうとグッズ開発会議に力を注いでいた副館長の後藤公司さんは「遮光器土偶が大好きで『身に着けて楽しめるもの』を考えていた。冬期間の来館につなげたい思いもあり、ニット帽はどうかと思いついたのが始まり」と話す。

 「結髪を形にするのは難しい」「無理」という意見が多く諦めかけていたところ、地元民から手編みで試作したというニット帽の提案があった。「こんな風に編めるのかと驚いた」という。4度の手直しと微調整を経て、納得のいく完成形にこぎ着けた。

 5個作った同商品をミュージアムショップに並べ撮影した画像をSNSに投稿したところ、「いきなりバズったので驚いた」と後藤さん。1500件を超える問い合わせや取材依頼が殺到し、「通常業務ができないほどだった」と当時を振り返る。竹中富之館長は「ニット帽が有名になったことで縄文を身近に感じてもらえ、小牧野遺跡を周知することにもつながった」とほほ笑む。

 今年の販売について12月1日、ツイッターに同商品の画像を投稿したところ、2万4000件の「いいね」と1万件のリツイートがあった。「今年も人気は衰えていない」と後藤さん。これまで応募方法や価格は試行錯誤を重ねてきたが、子どもから年配の方まで、さまざまな世代のニーズに応えるため、応募ははがきのみで受け付ける。応募開始2日目で110通を超えるはがきが届き、9割が県外からの応募だという。

 今年のラインアップは、「テラコッタ」「ダークブラウン」「マスタード」「ブルー」「グリーン」「パープル」(以上、大人用=9,900円。深さ=約18センチ、平置き採寸=約26センチ)、「チェリーピンク」「マスタード」「ブルー」(以上、子ども用=6,930円。同=約15センチ、同=約18センチ)、「テラコッタ親子セット」「ダークブラウン親子セット」(以上、1万6,830円)。1人の職人が手編みで作っているため量産はできないという。

 後藤さんは「自分たちの『縄文愛』と地元職人の『遺跡の普及に協力したい』という思いが一つとなり生まれた商品。ぜひ県民の皆さまも応募してほしい。当選したら遮光器土偶ニット帽をかぶって小牧野遺跡に来てほしい」と呼びかける。

 抽選販売の申し込み締め切りは12月12日。

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