青森県立美術館（青森市安田、TEL 017-783-3000）で11月30日、企画展「奈良美智: The Beginning Place ここから」の公式図録販売が始まった。

表紙カバー裏の装丁

　同館では約10年ぶりの開催となる同個展。青森県出身で美術家の奈良美智さんが制作を手がけた絵画や立体作品など、新作を含む約200点を展示する。10月14日から始まり、11月14日には来場者数2万人を記録した。

　公式図録は、展示の全出品作品リストをカラーで掲載し、奈良さんの詳細年譜や対談記事、哲学研究者、アメリカの文化史家によるエッセーを収録する。B5判型、348ページ。青森県立美術館が監修し、奈良美智財団が発行する。

　表紙は、個展のメインビジュアル「Midnight Tears」をアップにあしらう。カバーの裏にはリンゴが落ちたリンゴ畑のモノクロ写真を起用。同展担当キュレーターの高橋しげみさんは「奈良さんの絵画の下層に埋め込まれている故郷の風景をイメージした装丁」と話す。

　会場内で先行販売し、12月中旬から会場外でも発売する。高橋さんは「震災後の活動や故郷との関わりを掘り下げた内容とし、作品同士の関係性や展示の空気感が伝わるような写真がリードするような構成にした。長く活用してもらえるとうれしい」と話す。

　価格は3,850円。