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青森の食堂「四季の千成」、鍋焼きうどんの提供始める 60年続く看板メニュー

だしは、時代の移り変わりと共に微妙に調整しているという

だしは、時代の移り変わりと共に微妙に調整しているという

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 青森の「お食事処 四季の千成(せんなり)」(青森市本町1、TEL 017-722-4750)で9月22日、「鍋焼きうどん」の提供を始めた。

鍋焼きうどんの餅

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 「鍋焼きうどんといえば千成」といわれる同店の看板メニュー。餅、エビ天、ネギ、かまぼこ、なると、シイタケ、鶏肉、セリ、ゴボウ、卵という10種類の具材を使う。3代目店主の成田政隆さんは「お客さまに『だしが違う』と言われる。特別なものは使っていないが、組み合わせにこだわっている」と話す。毎年9月下旬から5月のゴールデンウイークまで提供する。

 成田さんは「60年以上前から鍋焼きうどんがあった。私が幼稚園児の頃。祖母も母も東京出身だが、餅やエビ天が入っているのは東京でも見たことがないと言っていた」と話す。

 9月7日で創業90周年を迎えた同店は、国産や県産の食材を使い、中華そばや定食、甘味などを提供する。成田さんによると、創業当初は「女性や子どもに来てもらえるように」と、ぜんざいやあんみつなどの甘味処で、屋号も「四季のしる粉 千成」だったという。

 「コンビニに菓子が並ぶようになり、甘味が売れなくなった。お客さまからの『カレーやかつ丼が食べたい』などの要望に応えていくうちに大衆食堂になっていった」と振り返る成田さん。「今では、鍋焼きうどんを楽しみに待っていてくれるお客さまが増えた」とも。

 毎年8月末~9月初めに「真夏の鍋焼きうどん」の日を一日のみ設け、30食限定で提供している。「年中食べたい」という客のために始めた企画で、最も気温が上がる日を調べて行うという。成田さんは「いつも予約で埋まってしまう。暑い日に熱々の鍋焼きうどんを、罰ゲームのように汗だくで食べて、さっぱりしてほしい」と話す。

 成田さんは「90周年を迎えたが、ただただ毎日の積み重ね。長年やっていると大変なことや辛い時もあるが、これからも笑いながら楽しく続けていけたら」と笑顔を見せる。

 価格は935円。営業時間は11時30分~14時、17時~20時(木曜~金曜)。土曜・日曜・祝日定休。

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