
出版社「グラフ青森」(青森市筒井八ツ橋)が1月20日、季刊誌「青森の暮らし」の50周年記念号を発行した。
50周年を記念する445号では、創刊当時の青森の写真や過去記事、表紙変遷、歴史年表などを掲載し50年を振り返る特集には、同社代表の下池康一さんと「ものの芽舎」佐藤史隆代表による対談記事、連載者のインタビュー記事なども収録する。
1975(昭和50)年1月、「青森の暮らし」の前身となる「グラフ青森」を、青森で外科医院を開業していた故・横内幸造さんが創刊。横内さんは軍医として戦争の悲惨さを目の当たりにした経験から、「地方自治」と「反戦平和」を掲げ、「戦争をなくすには地域文化の向上がカギとなる」と考え、「グラフ青森」の創刊に至ったという。
現編集長である下池さんは1979(昭和54)年から携わる。東京の大学を卒業後、農林水産業関連の出版社に勤務。農家や漁師のもとを訪ねる中で「豊かさとは何か」を追求した下池さん。グラフ青森の取材でも、その思いを大切にすることを続けたと話す。1988(昭和63)年に横内さんから独立しグラフ青森を設立。2009(平成21)年には雑誌名を「青森の暮らし」に変更。現在も変わらず「豊かさとは何か」を追求することを発行趣旨に掲げる。
50周年記念号の制作にあたっては、社員6人全員で、バックナンバーを並べながら編集会議を行った。「若手社員には新鮮、ベテランには懐かしいと感じる過去記事に編集部も盛り上がった。読者にも楽しんでいただけたら」と社員の織田千花子さん。「10数年も青森を取材してきた、まさに生き字引の下池社長による『青森よもやまばなし』では、旧67市町村の『へぇ~』となる知られざる話を紹介している。下池社長がグラフの集大成と力を入れたページ」とも。
下池さんは「人と人を雑誌で仲介して結びつける役割を担いたいとやってきた。1人でやっていた時期も長いが、今は社員6人でやるから、その分仲介できる人数が増えている。これからも、みんなでやっていければ」と今後の意欲も見せる。
価格は770円。青森県内の書店や同社ホームページで販売する。