浅虫産のクロモジ製品を製造・販売する「クロモジLab(ラボ)」(青森市浅虫、TEL 080-8207-3107)が現在、蒸留を体験できるサービスを土曜・日曜限定で提供している。
クロモジは山地に生える落葉低木で、枝は菓子ようじや箸の原料。枝や葉の香りを生かして作られる精油やハーブティーも知られる。
同ラボ代表の池田啓子さんは2020年から2023年まで「青森市地域おこし協力隊」として浅虫の観光振興や移住誘致などを行う中で、浅虫産クロモジに出合ったという。「クロモジ精油を使ったハーブテントを体験し、香りに感動した。調べるにつれさまざまな魅力があることが分かったクロモジを使って特産品を作りたいと考えるようになった」と話す池田さん。昨年10月に同ラボを立ち上げた。
体験サービスは、特有の香りをたくさんの人に感じてもらいたいと、浅虫コリドー裏物販スペース(同)を借りて始めた。店内の温度と湿度が最適な5月・6月限定で実施する。
所要時間は約45分。体験者には専用の蒸留器に乾燥させたクロモジの葉をちぎったり小枝を折ったりしながら入れてもらい、水蒸気蒸留法によりクロモジの芳香蒸留水(ハーブウオーター)が作られる過程を楽しんでもらう。出来上がった蒸留水はスプレーボトルに詰めて持ち帰れるようにした。体験中にはクロモジ茶も振る舞う。「蒸留中に漂うクロモジの爽やかな香りは森林浴をしているよう」と池田さん。「ルームスプレーやリネンウオーターとしてもお薦め」と話す。「クロモジ茶の味わいも一緒に楽しんでほしい」とも。
青森市内から参加した40代女性は「クロモジといえば和菓子を食べるのに使うようじのイメージだが、これほど爽やかないい香りがするとは知らなかった」と驚く。
池田さんは「クロモジを浅虫の観光資源の一つにしたい。クロモジ蒸留体験を楽しんでもらい、浅虫に来た思い出として持ち帰ってほしい」と話す。
体験時間は10時~15時。体験料=1,000円。1回につき3人まで同時に体験できる。申し込みは電話とインスタグラムのDMで受け付ける。6月30日まで。