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青森・蟹田でシロウオの踊り食い 平均80歳が地区の名物守る

「かにた川食文化研究会」の3人。会長の戎サツさん(左端)

「かにた川食文化研究会」の3人。会長の戎サツさん(左端)

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 青森・外ヶ浜の料理店「かにた川」(TEL 0174-31-1228)で現在、「しろうお祭り」が開かれている。

名物の「しろうおのおどり食い」

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 外ヶ浜・蟹田地区に流れる蟹田川では毎年4月下旬から、産卵のためにシロウオが遡上(そじょう)する。同地区ではシロウオ漁が春の風物詩となっており、シロウオの踊り食いや季節限定の料理が観光客に毎年人気となっている。

 「しろうお祭り」を主催する「かにた川食文化研究会」会長の戎(えびす)サツさんは「シロウオの体長は5センチほどで、細長く透き通るような体が特徴。シラウオとは違い、生臭さがなく、かめば甘さがある。当会では踊り食いだけでなく、天ぷらや卵とじにして提供している」と話す。

 戎さんによると、「しろうお祭り」は青函トンネルの供用が始まった1988(昭和63)年から行われ、当初は川沿いに屋台が並びシロウオすくいなどの体験もあったという。「高齢化や担い手不足などの理由から年々規模は縮小し、現在は祭り期間中に営業する当会の『かにた川』のみとなってしまった」と戎さん。

 今年は4年ぶりの開催となった。本来は「蟹としろうお祭り」だったが、今年はカニが不漁のため、提供できないという。戎さんは「代わりに天井にカニの形をしたねぶたを設置している」と笑顔を見せる。

 メニューは、名物の「しろうおのおどり食い」(700円)のほか、「しろうおフルコース」(2,300円)、「しろうお定食」(1,800円)、「しろうおソバ」「しろうおうどん」(以上、600円)など。

 祭りは4月22日から開催。連日、県内外から「しろうおのおどり食い」だけを目当てに訪れる客の姿もあるという。戎さんは「実は今年の開催も危ぶまれていたが、今年やらないと『しろう祭り』がなくなってしまうと考え、やると決意した。当会の平均年齢は80歳となり、私も86歳。若い人たちに食べてもらい、蟹田のシロウオ料理を語り継いでいきたい」と話す。

 営業時間は10時30分~16時。5月7日まで。

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