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青森で「エヴァ」庵野さん×「ガンダム」安彦さんのトークイベント 

安彦良和さん(右)と庵野秀明さん(左)

安彦良和さん(右)と庵野秀明さん(左)

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 「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズで知られる映画監督・プロデューサーの庵野秀明さんと漫画家でアニメーション監督の安彦良和さんのトークショーが5月24日、青森県立美術館で開催された。

安彦良和さん

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 現在開催中の巡回展「描く人、安彦良和」の関連イベントとして行われた同トークショー。当初は昨年8月に兵庫県立美術館でのイベントとして開催予定だったが、庵野さんのけがにより見送られ、青森での開催になった。青森県立美術館ではイベントの参加申込者数が過去最高の倍率になったという。

 トークショーでは安彦さんが庵野さんを「孫弟子」と紹介。庵野さんが「さん」づけの敬称で呼ぶ師匠とするアニメーター・板野一郎さんが、安彦さんにとっては弟子になることを話し、「私は『板野くん』と呼んでいたからしばらくは庵野さんと板野さんとの関係に気づいていなかった」と、会場を沸かせた。

 庵野さんは「安彦さんは私をアニメーターの世界に入れた張本人」と明かした。庵野さんは、浪人時代に安彦さんが描いた「機動戦士ガンダム」のイラストを見たことがアニメーターという仕事を意識するきっかけになったという。庵野さんは「責任を取ってください」と伝え、安彦さんの笑いを誘った。

 安彦さんは、庵野さんが作画監督として参加した「王立宇宙軍オネアミスの翼」に時代の変化を感じたことが、漫画家への転身を考えるきっかけになったと明かした。ロケットの打ち上げシーンについて「好きという情熱にはかなわない」と話す。安彦さんは80年代後半からアニメーターを離れ、漫画に専念するようになった。

 庵野さんは、安彦さんが大きく作画を修正した「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」を「超えることがない最高傑作」と評し、爆発シーンやバルカン砲の描写などは自身のキャリアに与えた影響は大きかったと明かした。安彦さんは当時を振り返り「爆発や銃撃はそれまで担当してこなかった題材だったため勉強し、ガンダムIIIの作画に力を入れた」と話す。

 対談を終え、安彦さんは「引き際を知らせられた張本人に青森まで足を運んでもらって恐縮だ」と話すと庵野さんは「安彦さんがいなければ日本のアニメは衰退していた。(展示を見て)安彦さんの仕事量には『すごい』以外の言葉が見つからない」と話していた。

 トークショーに来場した50代男性は「アニメ界を代表する2人の話題が新作にまで広がり、貴重な機会だった。青森という会場で聞けたことがうれしい」と話す。

 同展は6月29日まで。

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