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青森県美で東京芸大院生・中澤希公さん個展 大切な人との別れに向き合う空間

作品展「昨日、巡り合おうとしなくても」で展示する作品(写真提供=中澤希公さん)

作品展「昨日、巡り合おうとしなくても」で展示する作品(写真提供=中澤希公さん)

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 東京芸術大学大学院1年の中澤希公さんによる作品展「昨日、巡り合おうとしなくても」が1月16日~18日、青森県立美術館(青森市安田)コミュニティーギャラリーAで開かれる。

中澤希公さん

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 中澤さんは14歳で母親を亡くした経験を背景に、「人の死と向き合うこと」をテーマにした作品の制作活動に取り組んでいる。今回の個展では、恐山(むつ市)や、八戸で民間信仰を伝える「イタコ」を取材し、「喪失」をテーマにした作品を展示する。タイトルには「昨日大切な人と会えなくても、いつかは巡り会える」「日常の中に大切な人を思い出すきっかけが落ちている」などの思いを込めたという。

 会場の床には、悲しみを受け入れるまでの過程を表現した涙の形をしたガラス玉をちりばめる。来場者には好きなガラス玉を手に作品を鑑賞してもらい、悲しみを受け入れられたらガラス玉を床に戻すという趣向。「もし悲しみを受け入れられなかったら、私に話しかけてもらえたら」と中澤さん。

 棺桶に入った人をイメージして制作したという長さ180センチのセメント製直方体の作品は、冷たい物を抱きしめることで体温が伝わり「生きていること」を実感する様子を表現。「母の肌をなでてあげるように制作した」と話す中澤さんによると、「かつて命が宿っていた存在」として、石灰化したサンゴなどから作られたセメントを選んだという。

 イタコの「口寄せ」で母親と対話したという中澤さんは「母に『さようなら』を言う必要はない」と気づいたことを作品に落とし込んだ。「誰一人として同じ悲しみはない。過去の喪失との向き合い方も人それぞれ。私たちの生きる時間は忙しい。少しだけでも喪失感と向き合う時間を提供できたら。死者と鑑賞者の関係性を模索しながら、会場を後にしてほしい」と中澤さん。

 開催時間は9時30分~17時。入場無料。

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