
青森市小牧野遺跡保護センター「縄文の学び舎・小牧野(こまきの)館」(青森市野沢)が3月1日、金太郎あめ「JOMOCAN(じょもかん)」の販売を始める。
同館に展示する遮光器土偶と、小牧野遺跡で出土したクマ型土製品を基にしたPRキャラクター「こまっくー」に焦点を当て、缶のふたにはそれぞれのイラストを施し、中に同じデザインの金太郎あめを入れた同商品。遮光器土偶あめの味は、縄文遺跡から桃の種が出土していることにちなんでピーチ味。「こまっくー」あめは三内丸山遺跡でミカン科「キハダ」の種子が見つかっていることからオレンジ味にした。
「小牧野式配列」と呼ばれる配石の環状列石で知られる小牧野遺跡について学べる展示や関連イベント、オリジナルグッズの開発・販売を行う同館ではこれまで、「遮光器土偶メガネ」「遮光器土偶ニット帽」「遮光器土偶・縄文杖(づえ)」などのユニークなグッズを開発し、小牧野遺跡の周知につなげてきた。食品は今回が初めて。
「JOMOCAN」開発のアイデアについて、同館副館長の後藤公司さんは「きっかけはつぼ型のかわいらしい缶に出合ったこと。以前から構想があった金太郎あめを作って入れるのはどうかとスタッフ会議で提案したところ、計画が進んだ」と振り返る。あめの製作は「金太郎飴本店」(東京都台東区)に依頼したという。
同商品は、「こまっくー」あめはスムーズに完成したが、遮光器土偶あめは頭部の結髪(けっぱつ)のデザインが複雑なため、「金太郎飴本店」と何度も話し合いを重ねながら納得のいく形に仕上げたという。
後藤さんは「一つ一つ違う顔の表情を楽しめたり、見た目が茶色でコーラ味かと思いきやピーチ味で脳内が混乱するのを楽しめたりと、面白い商品になった。縄文遺跡は敷居が高いと感じる人もいるかもしれないが、『JOMOCAN』をきっかけに小牧野遺跡に興味を持ってもらえたら」と話す。
価格は、1缶10個入り=540円。同館ミュージアムショップ、公式オンラインショップ「こまてん」、大平山元(おおだいやまもと)遺跡展示施設「むーもん館」(外ヶ浜町蟹田)で販売する。