青森のラーメン店「支那そば いしおか」(青森市緑3)が2月1日、移転オープンした。
煮干しだしをベースにした「津軽ラーメン」を提供する同店。戦後間もない青森市油川周辺で屋台ラーメンを提供していた石岡喜一郎さんの孫に当たる石岡浩二さんが店主を務める。2019年2月から祖父の名前を借りた「麺処 石岡喜一郎」としてパサージュ広場で屋台営業していたが、昨年12月に店を閉め、移転した。
移転の理由について石岡さんは「もともとスタートアップのためにパサージュ広場での開業だった。屋台だけの営業では手狭となり、良い物件を教えてもらったこともあったので移転に踏み切った」と話す。
店舗面積は15坪、席数は18席。弁当店跡を改修し、カウンター席とテーブル席を設けた。石岡さんは「祖父の屋台は『支那そばのいしおか』で名前が知られ、『あの石岡さんの孫か』といった声も多くあり、親しまれている名を店名にした」と話す。
石岡さんは公務員だったが36歳で辞め、ラーメン店で修業を始めた。「中華そば店を営んでいた父を見て、ラーメン店を自分もやりたいと思っていた。さまざまなラーメン店で修業し、行き着いたのがやはり『中華そば』だった」と石岡さん。石岡さんのいとこに当たる「めんや喜一」(幸畑谷脇)の坪文隆さんを訪ね、「中華そば」を学んだ。
石岡さんによると、坪さんは石岡喜一郎の次女の子どもで、「石岡喜一郎のラーメンを唯一知るのでは」という人物だという。「石岡喜一郎は頑固な人で、家族にもレシピを教えていなかったという逸話があるほど。ただ、その次女はレシピを知っていたようだ」と石岡さん。
現在のメニューは中華そば(750円)のみ。煮卵入り(850円)、チャーシュー2枚入り(900円)。ライスのほか、麺大盛り、ネギ増し、メンマ増し(以上100円)などのトッピングも用意。「オペレーションが慣れてきたら、みそラーメンを提供したい」と石岡さん。
今後の目標について、「まずは今のオペレーションを安定させること」と石岡さん。「将来的にはキッチンカーで令和版の屋台ラーメンに挑戦してみたい。麺に携わってしまうのは、血筋なんでしょうね」と笑顔を見せる。
営業時間は11時~15時、17時~20時。火曜定休。