青森のスペシャルティコーヒー専門店「COFFEEMAN good(コーヒーマングッド)」(青森市古川)が10月11日、オープンして10周年を迎えた。
2015(平成27)年に開業した同店。企画・運営会社「クロップアップ」の社長・中村公一さんがニューヨークで通ったバリスタのいるコーヒースタンドを地元でも作りたいと始めた。店舗面積は3坪、客数7席。店外にも椅子を置く。
現在、中村さんと共同経営する橋本雄大さんと妻・有里さんが同店に立つようになったのは2017(平成29)年8月。中村さんから誘われたことがきっかけで、橋本さんは関東圏からUターンした。「自分の店を地元で持ちたかったが、10年、20年先だと考えていた」と橋本さん。
橋本さんは青森出身で大学卒業後、関東圏の学習塾に勤務していたが、偶然飲んだカフェのコーヒーに感動。1日に2~3店のコーヒー店をはしごするほどコーヒーに熱中し、スペシャルティコーヒー専門店のチェーンに転職した。店舗責任者を務め、バリスタの大会に出場するなどコーヒーの世界にさらにのめり込んだ。
橋本さんは「コーヒーは人と人とをつなげる飲み物。私自身がコーヒーで癒されたように当店でもコーヒーで癒されてほしい」と話す。「小さい店だったので、一人でやるつもりだったが、おかげさまで忙しくなり、Iターンした妻と2人で店をやることになった」とも。
「コーヒーマングッド」でやりたいことを体現していく橋本さん。地元の食材とコーヒーを組み合わせたオリジナルドリンクは、季節ごとにメニューが変わり、冬期に提供する「津軽味噌(みそ)キャラメルのカプチーノ」は看板メニューの一つ。橋本さんによると、県外だけでなく海外からも飲みに来るリピーターがいるという。
コーヒー豆の自家焙煎(ばいせん)は2018(平成30)年から開始。提供するコーヒーに使うだけでなく、販売も始めた。ネット販売を始めると、青森県外に行ってしまった客からの注文が多くあった。コロナ禍では、地元の人たちがテイクアウトで立ち寄ってくれた。
10年を振り返り、周囲の人たちに支えられ続けることができたという橋本さん。「近年はインバウンド(訪日客)が増えているが、地元向けの気持ちは当初から変わっていない。これからもコーヒーを通じた挑戦を続けていきたい」と意欲を見せる。
営業時間は11時~17時。火・水曜定休。