八甲田山麓にある田代平湿原で現在、初夏の高原の風物詩であるワタスゲやニッコウキスゲが見頃を迎えている。
八甲田山の北東に位置する田代平湿原は、約200万年前の八甲田山噴火により作られたカルデラ湖が湿原化した場所。豊富な高山植物や湿原植物が生育し、「田代平湿原植物群落」として青森市の天然記念物に指定されている。
木造の歩道が整備された約1.6キロのハイキングコースがあり、北側ルート(568メートル)、中央ルート(560メートル)、南側ルート(440メートル)の3つのルートと、中央ルートには5カ所の休憩所が設けられている。鳥のさえずりや虫の声を聞きながら1時間ほどの散策を楽しめ、春から秋にかけ自由に入山できるので、県内各地から自然を求め家族連れやハイカーが訪れる。
青森市内から訪れたという70代夫婦は「今日初めて来てみたが、こんなにいい所だとは思わなかった」と笑顔を見せ、立ち止まっては風景や草花を写真に収めていた。
7月にはキンコウカ、カキラン、モウセンゴケ、温帯性のスイレンが見頃となり、9月下旬~10月中旬には山肌一面が紅葉で彩られる。