下風呂温泉郷「まるほん旅館」(青森県風間浦村)が現在、おかみ候補を募集している。
下風呂温泉郷は下北半島の北部に位置する室町時代から続く湯治場。「まるほん旅館」は1887年創業の歴史を持ち、下風呂温泉郷で最も古い老舗旅館。宿泊部屋数は10部屋。
「まるほん旅館」おかみの長谷雅恵さんは1998(平成20)年、風間浦村にUターンし、先代おかみの津恵子さんと共に旅館を経営した。2021年に津恵子さんが他界し、一人で宿を切り盛りする中で、旅館経営と下風呂温泉郷の存続を考えるようになったという。長谷さんは「後継者がいなければ、歴史ある宿も温泉郷もなくなってしまう。すてきなおかみ候補が見つかれば」と期待を寄せる。
下風呂温泉郷は昭和時代に20軒以上の旅館・民宿があったが、旅行ニーズの変化や東日本大震災、新型コロナ感染症の影響により、現在は9軒まで減少。長谷さんによると、施設の老朽化、後継者不足は現在、下風呂温泉郷の深刻な課題になっているという。
風間浦村産業建設課の木村祐生さんは「インターンシップを通じて候補者が見つかれば、地域おこし協力隊などの制度を活用して、温泉郷の復興を図りたい」と話す。
募集定員は2人、期間は10~11月中の3泊4日を予定する。風呂の清掃や料理の配膳などの業務を体験する。参加費は1万円(宿泊費込み)。交通費自己負担。
問い合わせは「風間浦村産業建設課」の木村祐生さん(TEL 0175-35-2111)まで。