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林さんは青森出身・東京在住の画家で、1992(平成4)年からほぼ毎年、春に東京で、秋に青森でそれぞれ個展を開いている。作品の2大テーマは故郷・青森の「ねぶた祭り」と1998(平成10)年から2年半住んでいた「パリの風景」をという。
今回の個展では、開催を案内するはがきに起用したメイン作「ねぶた祭り 出を待つ女たち」を中心に、花や猫、パリの街などを描いた油絵と水彩画合わせて約40点を展示・販売する。ポストカードやカレンダーも販売する。
旧作に加筆した3点以外は今年に入ってから描いた新作。メイン作について、林さんは「昔のねぶた祭ではハネトたちがみんな正装して花がさをかぶっていた。たくさんの花がさがふわーっと花畑のように続く後ろからねぶたが来る風景を小さい頃、眠い中で見ていた。赤が主調のカラフルで華やかな色は、私にとってはねぶたそのもの」と話す。
会場を訪れていた70代女性は「林さんの絵が好きで毎年見に来ている。林さんの描くねぶたは今のねぶたとは違うが、林さんと同世代の私たちは絵を見ることで、一瞬で昔に戻っていける。心の中に眠る郷土への愛着を呼び起こす」と話していた。
林さんは「見に来てくれるお客さまには、日々の雑事や心の憂さを忘れて温かい気持ちになってもらいたい。心が和らぐような絵をこれからも描いていきたい」と話す。
 開催時間は11時~17時(最終日は15時まで)。入場無料。11月4日まで。会期中、林さんは在廊する。